ゲーム実況・配信の防音対策|声漏れを防ぐ簡単DIY
実況や配信で声が漏れていないか。深夜に叫んでしまって翌日に注意された、という話はよくあります。かといって声を抑えるとリアクションが薄くなり、配信としての魅力が落ちます。
この記事では、配信環境の音の扱いを整理します。結論を先に書くと、配信の防音は「大きな声を漏らさない」より「小さな声で成立させる」方向のほうが現実的です。理由を説明します。
配信で問題になる音を分ける
| 音 | 経路 | 対処 |
|---|---|---|
| 自分の声 | 隙間、窓、ドア、壁 | マイクと音量設計で解決する |
| ゲーム音 | スピーカーから空気へ | ヘッドセットでほぼ解消 |
| 打鍵音・クリック音 | 空気音+机から床への振動 | 機材の交換と防振 |
| チェアのキャスター音 | 床の振動(軽量床衝撃音) | 床材で下げられる |
このうち、防音材で対処できるのは下2つです。上2つは機材側の話になります。
効く順に
1. ゲーム音はヘッドセットにする
費用対効果が最も高い対策です。スピーカーから出す音がなくなれば、その経路の音漏れは実質なくなります。爆発音やBGMの低音は壁を通りやすい成分なので、ここを断つ意味は大きくなります。
まだスピーカーで配信している場合は、材料を買う前にこちらを先に変えてください。
2. 声を張らずに済むマイク環境にする
ここが本題です。声が漏れるのは、そもそも出している声が大きいからです。小さい声でもしっかり拾える構成にすれば、漏れる音は根本的に減ります。
- 指向性の強いマイクを近くで使う:口元に近づけて使う前提のマイクであれば、小さな声でも十分な音量で録れます。部屋の生活音も拾いにくくなります
- ゲインを上げて声量を下げる:入力レベルを上げれば、その分だけ小さい声で成立します
- コンプレッサーを使う:小さい声と叫び声の差を圧縮すれば、叫ばなくても抑揚が伝わります。配信ソフトの標準機能で設定できます
マイクを口から遠ざけて使っていると、声を張らないと拾えません。これが音漏れの直接の原因になっていることがよくあります。
3. 吸音パネルで音質と音量を整える
吸音パネルhisoka(ヒソカ)について、正確にお伝えしておきます。壁に貼っても隣室や廊下への音漏れは止まりません。吸音材は音を通す構造だからです。
ただし、配信用途では吸音がもっとも価値を発揮します。
- 反射音が減って声の輪郭が出る:部屋鳴りが混ざらないぶん、視聴者にとって聞き取りやすい音声になります
- ゲインを上げても部屋の響きを拾わない:結果として、小さい声で配信できるようになります
- 自分の声が聞き取りやすくなり、無意識に声を張らなくなる
2番目と3番目は、そのまま音漏れの低減につながります。遠回りに見えますが、この経路は確実に効きます。
設置場所は、デスクの正面、左右、そして天井側です。向かい合った硬い面のあいだで音が往復するため、片側だけ処理しても反射は残ります。9mm厚のhisoka、より低い音まで扱うなら18mm厚のhisokaPROがあります。虫ピン留めなので賃貸でも設置できます。
4. 打鍵音は機材で対処する
キーボードの音は、空気を伝わる成分と、机から床へ伝わる振動の両方があります。床にカーペットを敷くだけでは、空気の成分は残ります。
- 静音スイッチのキーボードに替える:もっとも効きます。リニア系の静音軸は打鍵音が大幅に小さくなります
- デスクマットを敷く:机に伝わる振動と、机面での反射が減ります
- マウスも静音クリックのものがある:深夜の配信では差が出ます
- マイクを机から浮かせる:アームやショックマウントを使うと、打鍵振動をマイクが拾わなくなります。視聴者側に聞こえる打鍵音はこれで減ります
5. 床にカーペットを敷く
チェアのキャスター音、立ち座りの音、机の脚から伝わる振動は軽量床衝撃音で、床材で下げられます。
防音タイルカーペットFuwra(フウラ)はΔLL(I)-5に対応しています。40×40cmのタイル型なので、デスク下とチェアの可動範囲だけに敷けます。部屋全体を覆う必要はありません。
床の反射が減ることで、マイクが拾う部屋鳴りも減ります。音質の面でも効きます。
6. ドアと窓の隙間を塞ぐ
声が廊下やリビングに出ていく主経路です。ドア枠の四辺に隙間テープ、ドア下にすき間ガード。数百円から始められます。
窓も同様です。深夜に窓が開いていれば、部屋の対策は無意味になります。
叫び声は防音では解決しません
ここは正直に書きます。深夜に本気で叫ぶ音量は、住戸内でできる対策では抑えきれません。材料を買い足しても、この問題は残ります。
対応としては次のいずれかになります。
- 時間帯で線を引く:深夜帯はテンションの上がるタイトルを避ける、収録に切り替えて編集で盛る
- コンプレッサーで抑揚をつくる:音量ではなく処理で盛り上がりを表現する
- 収録型に切り替える:時間帯の制約がなくなります
集合住宅で本格的に声量を出す配信をするなら、防音室の設置か、外部のスタジオ利用が現実的な選択肢になります。
やっても効きにくいこと
- 吸音パネルで隣室への声漏れを止める:仕組み上できません
- 壁に遮音シートを直貼りする:石膏ボード壁に数kg/㎡を足しても上乗せが小さく、変化はわずかです
- 薄い発泡材やウレタンを壁一面に貼る:軽すぎて遮音になりません
- 床カーペットだけで打鍵音を消す:空気を伝わる成分が残ります
よくある質問
まず何から買えばよいですか
ヘッドセットを使っていないなら、それが先です。次にマイクの使い方の見直し。ここまでは追加費用がかからないこともあります。
吸音パネルは何枚必要ですか
デスク周りに限定するなら12枚セットから試して、正面と左右に分散させてください。足りなければ追加する進め方が無駄が出ません。
家族から注意されます
室内ドアの隙間が主経路です。隙間テープとドアボトムシールで、まずそこを処理してください。
マンションで配信は可能ですか
通常の会話音量であれば、隙間の処理と時間帯の配慮で運用できます。叫び声を出す前提なら、集合住宅では難しいと考えてください。
まとめ
配信の防音は、ゲーム音をヘッドセットに移し、小さい声で成立するマイク環境をつくることが土台です。吸音パネルはここで直接効きます。打鍵音は機材、キャスター音は床材。ドアと窓の隙間は最後に塞ぎます。
叫び声だけは、防音材では解決しません。時間帯の運用か、収録への切り替えで対応してください。




