マンションで犬を飼う前に知っておきたい防音対策
マンションで犬を迎える前に確認しておきたいのが音の問題です。ペット可の物件でも、鳴き声による苦情は起こります。迎えたあとで対策を考えるより、事前に準備しておくほうが確実です。
この記事では、犬を飼う前に整えておく防音対策を、音の種類ごとに整理します。
その前に、管理規約を確認してください
ペット可の物件でも、飼育細則で頭数や体格に制限があることがほとんどです。また、鳴き声が繰り返し苦情になった場合、規約上の措置が取られる可能性があります。防音対策は、規約を守ったうえでの上乗せと考えてください。
犬の音は3種類
| 音 | 性質 | 伝わる先 |
|---|---|---|
| 吠え声 | 空気を伝わる音。音圧が大きい | 隣戸、共用廊下、屋外 |
| 爪のカチカチ音 | 軽量床衝撃音 | 階下 |
| 走り回る足音 | 軽量床衝撃音が中心 | 階下 |
爪の音と足音は床の対策で下げられます。吠え声は空気の音なので、経路も対策もまったく別です。
迎える前に整えておくこと
1. 床に防音カーペットを敷く
爪の音と走る足音は軽量床衝撃音で、床に敷くもので改善しやすい種類です。
選ぶ基準はΔL等級です。床材が衝撃音をどれだけ下げるかを実験室で測った表示で、軽量床衝撃音はΔLL(I)-1〜5、数字が大きいほど低減量が大きくなります。防音タイルカーペットFuwra(フウラ)は最高等級のΔLL(I)-5に対応しています。
犬にとっての利点もあります。フローリングは滑るため、股関節や膝への負担がかかりやすくなります。カーペットは滑り止めとしても働きます。ただし関節疾患の予防を保証するものではないので、体格や犬種による注意点は獣医師にご相談ください。
40×40cmのタイル型は、粗相や抜け毛で汚れた1枚だけ交換できます。全面をロールで敷くより、犬のいる家では扱いやすい形です。
2. 吠え声は「隙間」から出ていく
吠え声は空気を伝わるため、隙間があればそこを通ります。壁の性能を上げるより、まず開口部です。
- 玄関ドア:来客時やチャイムに反応した吠え声は、共用廊下に響きます。もっとも苦情になりやすい経路です
- 窓とサッシ:屋外やバルコニーへ抜けます。ベランダに面した窓は要確認です
- 換気口、エアコン配管穴:見落とされがちな経路です
隙間テープは数百円から始められます。玄関ドアの対策は玄関ドアの記事をご覧ください。共用部分の扱いに関する注意も書いています。
3. 吸音パネルの正しい使い方
吸音パネルhisoka(ヒソカ)を壁に貼っても、隣室への吠え声を止めることはできません。吸音材は音を通す材料だからです。
効くのは部屋の中です。フローリングと石膏ボードの部屋では吠え声が強く反響し、実際以上に大きく響きます。反射を減らすと室内の音量が下がります。犬にとっても、反響の強い部屋は落ち着きにくい環境です。
設置する場合は、犬が届かない高さにしてください。ポリエステル素材のパネルを噛んで飲み込む事故を防ぐためです。虫ピンも同様に、届かない位置に留めます。
4. 留守番の場所を決めておく
費用のかからない対策です。玄関から遠く、隣戸と接していない部屋にケージを置くだけで、共用廊下と隣戸への音は減ります。窓から外が見えると刺激で吠えることが増えるため、視線を切る配置も検討してください。
防音では解決しないこと
これは重要な点です。留守番中に長時間鳴き続ける場合、分離不安などの行動上の問題が背景にあることがあります。防音材でこれは解決しません。音を小さくしても、犬の状態は変わらないためです。
持続的な吠えが見られる場合は、防音対策と並行して、獣医師や犬の行動を扱う専門家に相談してください。順序としては、そちらが先です。
やっても効きにくいこと
- 吸音パネルを貼って隣戸への吠え声を止める:仕組み上できません
- 薄い発泡材やウレタンを壁に貼る:軽すぎて遮音になりません
- 床対策で吠え声を減らす:経路が違います
よくある質問
小型犬なら音の心配は少ないですか
吠え声の音圧は体格とは限りません。爪の音も小型犬で十分に響きます。体格を理由に対策を省かないでください。
爪を切れば音は減りますか
減ります。フローリングに当たる面が小さくなるためです。2〜3週間に一度が目安ですが、切りすぎは出血につながるため、慣れないうちは動物病院やトリマーに依頼してください。
ペット可なら苦情は来ませんか
来ます。ペット可は飼育の許可であって、音を出してよいという意味ではありません。もともとペットを飼っていない住人にとって、吠え声の受け止め方は異なります。
迎えてから対策しても間に合いますか
間に合いますが、先に敷いておくほうが犬が床材に慣れやすく、施工中に犬を別室へ移す手間もありません。
まとめ
犬を迎える前に、床にΔL等級のある防音カーペットを敷き、玄関ドアと窓の隙間を塞いでおいてください。爪の音と足音は床で、吠え声は隙間で対応します。吸音パネルは室内の響きを整えるものとして使ってください。
持続的な吠えは防音では解決しません。専門家への相談を並行して進めてください。




